まさかこんなところで、また会うことになるとは。そんな再会がこの仕事をしていると、たまにある。DeNAのラミレス監督がファームの練習試合を急きょ視察することになった。1軍が練習を行う沖縄・宜野湾から追いかけることに。車で30分。嘉手納基地を通り過ぎ、向かった先は中日2軍キャンプ地の読谷だった。

 中日2軍との練習試合で、1軍から参加した選手、2軍から昇格を狙う選手を視察。試合が終わるのを待っていると、中日のユニホームを着たなつかしい顔とバッタリ会った。昨季まで中日の選手だった野村亮介。静岡・静清高校がセンバツに出場したときのエースだった。187センチの長身で、静岡のダルビッシュこと「ノムビッシュ」として、頻繁に日刊スポーツ静岡版で取り上げさせてもらっていた。

 長い手足から、しなやかなフォームで制球よく投げていた姿を思い出した。股関節がかたくて、和式便所が使えないというエピソードも一緒に。身長が伸びていないか、メジャーで測らせてもらったこともあったっけ…。昨季限りで現役引退し、今は中日2軍の打撃投手を務めている。スコアラーも手伝いながら「勉強中です」と慣れない仕事に汗を流す。偶然にも沖縄で再会し「大変ですけど、家族もいますんで。頑張って稼いでいます」。プロの世界でもまれて大人の顔になり、家族を励みに第2の人生をスタートしていた。【DeNA担当 栗田成芳】