19日開幕のセンバツに出場する静岡が14日、大会5日目(23日)の第3試合で対戦する不来方(岩手)の甲子園練習を見学した。打撃に力を入れるチームだが、エースで4番の小比類巻圭汰主将(3年)の投球に警戒を強めた。また午後からは、京都・久御山町のNTT淀総合運動場で約3時間半の練習を行った。

 前日13日の午後8時過ぎに大阪入りした静岡ナインが、一夜明けた午前9時半から、甲子園のバックネット裏で不来方の練習に見入った。普段は練習時間の9割を打撃に割くという相手だが、この日は守備のみ。それでも収穫はあった。エース小比類巻の投球を観察。最速136キロの直球を軸に組み立てる右腕のスライダーなど、変化球のキレも確認した。

 5番に座る攻守の要、森康太朗捕手(3年)は「いいボールがきていて、まったく油断できない。(全体の雰囲気も)楽しそうでしたね」。小柳廉主将(3年)も「変化球もいいし、真っすぐも来ていた。いい投手」と警戒を強めた。栗林俊輔監督(44)も「今日の状態から、試合までにさらに状態を上げてくるはず。選手にはそのつもりで準備するように言ってあります」と話した。

 また実際に球場を訪れたことで、16日午前10時から予定する甲子園練習も平常心で臨めそうだ。前田優太外野手(3年)は「雰囲気を体感できたのは良かった。いい状態で甲子園練習が出来そうです」と笑顔を見せた。

 午後からは静岡に比べて肌寒い天候の下、現地で初練習。序盤こそ体が動かずミスが続出したが、次第に落ち着きを取り戻し、投内連係やフリー打撃などのメニューを消化した。エース左腕の池谷蒼大投手(3年)はブルペンで捕手を立たせて30球を投じ、「力みもなく、いい状態で投げられました」と話した。相手のイメージもふくらみ、静高ナインの準備にも力が入ってきた。【鈴木正章】