開幕から投打で活躍を続けるエンゼルス大谷翔平は、メジャーで二刀流を目指す選手のお手本となっている。

 20日(日本時間21日)までエンゼルスとの4連戦で3勝1敗と勝ち越したレイズは昨年、ドラフト1巡目(全体4位)でブレンダン・マッケイ(22)を「二刀流選手」として指名した。現在、フロリダ州シャーロットに本拠地を置く傘下1Aのシャーロット・ストーンクラブズで投手、指名打者(DH)、一塁手として育成中だ。

 レイズのマイナーリーグ統括ディレクター、ミッチ・ルークビックス氏にマッケイの様子を電話で聞くと「間違いなく、大谷は(二刀流の)ロールモデルだね。マッケイは大谷の活躍にすごく注目している」と話した。大谷の活躍がマッケイの二刀流としてのモチベーションを上げているか? 「もちろんだね。僕の認識では今は大谷とマッケイが唯一、プロレベルで二刀流をやっている選手だと思う」と、誇らしげだった。

 大谷も、マッケイの存在を知っている。18日(日本時間19日)のレイズ戦後、レイズの番記者から「マッケイのことは知っているか?」との質問が飛び、「聞いたことはありますけど、直接見たことないので、どういう感じなのかなというのは分からない」と答えている。基本的には1週間に2度投手として登板し、休みは1度のマッケイと、週1度の登板で休みが2日ある大谷とはスケジュールは違う。ただ、「機会があれば話してみたいというか、勉強になることはたくさんあると思う」と、同じ境遇の選手に興味を示した。

 エンゼルスは7月31日から8月2日まで、フロリダ州タンパでレイズと3連戦がある。1Aシャーロット・ストーンクラブズの球場とレ軍本拠地のトロピカーナフィールドは車で約1時間半の距離。レ軍の広報担当者は「スケジュールが合えばあり得る」と話しており、2人の二刀流選手が初対面する可能性はありそうだ。

 大谷はレイズとの4連戦で打者として1本塁打を放ち、投げては1勝を挙げた。その活躍は、遠く離れたフロリダで奮闘するマッケイの心に火を付けたに違いない。

【斎藤庸裕】(ニッカンスポーツコム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A.」)