巨人が26日、満足度「100%」で春季キャンプを打ち上げた。宮崎と沖縄の2カ所ともに予定変更もなく終了。原辰徳監督(56)は納得の表情を浮かべ、ドラフト2位戸根千明投手(22=日大)と同3位高木勇人投手(25=三菱重工名古屋)、鬼屋敷正人捕手(23)の3選手をMVPに挙げた。ここから定位置を巡るバトルは最終局面に突入。完成度も「100%」の「新成巨人」を作り上げる。

 ほぼ満点の春季キャンプになった。1日に宮崎でスタートを切り、16日の沖縄に移動した後も悪天候による予定変更もなく、全日程を消化した。坂本主将の音頭で手締めを終えた原監督は「時間の使い方も計画通り。こういうキャンプはなかなかない。100%に近いぐらい」と、えびす顔だった。

 スローガン「新成」に「野性味」のキーワードを加えて臨んだキャンプの象徴が“ルーキーズ”だった。原監督は「新人の2人と鬼屋敷。加わった印象」と自らMVPに選定。宮崎では野手は160キロマシンを打ち込み、那覇では実戦6試合で競争を促した。中でも、対外試合2試合で無失点の戸根と高木勇が琴線に触れた。

 最終日のブルペンでも目を引いた。高木勇が投球中、原監督は右打席に入った。鋭い視線で球質を確認。「甘い球は1球も投げられない」と内角をえぐってきた高木勇の心意気に、「おおっ」と声を上げて喜んだ。戸根にも声を掛け、「『このまま頑張っていけよ』という感じのことを言っていただいた」と、やる気をさらにかき立てた。

 開幕まで1カ月。原監督は「3月10日から15日ぐらいまでの間に100%に近いパフォーマンスを出してほしい」と求めた。「これからの1カ月の方がさらに難しいし大事になる。緊張感を持たせてやっていきます」。新成巨人の土台はできた。完成度100%のチームに仕上げていく。【浜本卓也】