新守護神は俺だ! 来日2年目の広島助っ人デュアンテ・ヒース投手(29)が、DeNAとの練習試合に登板した。対外試合初登板ながら、最速147キロを計測。1イニングを投げ、2者連続三振を含む3者凡退の好スタートを切った。離脱者が相次ぐ中継ぎ陣で際立つ存在感を見せ、抑え争いを一気にリードした。

 守護神最有力助っ人が、対外試合初マウンドで順調な仕上がりを首脳陣に見せつけた。DeNAとの練習試合。7回に登場だ。飛雄馬を右飛に仕留めると、売り出し中のルーキーコンビ、倉本と山下幸を2者連続の空振り三振に仕留めた。「直球の精度をもうちょっと上げたい。全体的には良かった」。厳しい自己評価とは裏腹に、安定感抜群の内容。打者3人をわずか12球で終わらせた。

 中継ぎ陣に離脱者や結果を残せない投手が目立つ中、来日2年目の右腕も1次キャンプでインフルエンザを発症した。一時離脱を余儀なくされ出遅れたものの、初登板で不安を払拭(ふっしょく)。畝投手コーチは「まだちょっと抜ける球もあったけど、しっかりと修正してくれた。信頼している」と、出遅れを取り戻す投球に胸をなで下ろした。

 ヒースは昨季途中に加入。先発として7試合に登板し、3勝を挙げた。阪神とのクライマックスシリーズのファーストステージでは2試合、2回2/3を投げて無失点と中継ぎの適性を示した。今季は一岡らと抑え候補に挙げられる。

 広島は黒田復帰などで先発のコマがそろう一方、中継ぎ陣はザガースキーが右足首捻挫、昨季チーム最多66試合登板の中田も右肩違和感で離脱。緒方監督は「両リーグを見ても抑えの成功率が高いチームが上位にいる。終盤の継投はそれほど重要」と必勝パターンの確立を最優先に考えていた。終盤の継投は模索中だが「あの真っすぐならファウルでカウントを稼ぐことができる。それは大きな武器」と話す。一岡もこの日1回無失点と好投したが、抑え最有力にヒースの名があることは間違いない。今季の必勝パターンがいよいよ見え始めてきた。【前原淳】