ソフトバンクの帆足和幸投手(35)と寺原隼人投手(31)が5日、教育リーグ阪神戦(雁の巣)に登板し、開幕ローテ入りに望みをつないだ。工藤公康監督(51)が視察に訪れる中、ベテラン左腕は5回3失点(自責2)。寺原も3回無失点と好投。次回はともに12日巨人戦(ヤフオクドーム)でのテストが決まった。開幕ローテ残り1枠をめぐり、実績組も負けてはいない。

 実績組の帆足と寺原が1次関門を突破した。ネット裏から工藤監督が見守る中、今季2度目の実戦登板をクリア。開幕ローテ入りのチャンスを残した。

 先発した帆足は気温8度の寒空の中、4回まで無失点投球。5回に3失点したが、打者のタイミングを外す持ち前の投球術は健在で、倉野2軍投手コーチも「しっかり腕を振れているし、変化球も操れている」と太鼓判を押した。

 昨年5月に右膝を手術した寺原も3回無失点と好投。この日の最速は145キロで「直球のコントロールも問題ないし、カーブもうまく使えた。暖かくなればもっと体も動くはず。(開幕に向け)不安要素をなるべく少なくしておきたい」と、表情も和らいだ。

 1軍練習を途中で切り上げ、雁の巣を訪れた指揮官も、2人の投球内容に納得の表情。「ある程度実績がある人たちに(開幕ローテ候補に)何かあった時に対応してもらうことも考えられるし、調子の上がらない選手がいればそこと代える可能性もある。今はとにかくチャレンジしてほしい」と話した。2人の次回登板はともに12日の1軍巨人戦に決まった。

 ソフトバンクの開幕ローテーション争いは12球団一過酷だ。4年連続開幕投手の摂津をはじめ大隣、中田、スタンリッジ、さらに新戦力の松坂も有力候補。残り1枠をほかの先発候補で争うのが現状だ。若手では東浜がキャンプ中から好投を続けており、6人目候補の筆頭。だが、ベテランコンビも負けてはいない。実績組の台頭で、開幕ローテ争いはますますヒートアップしてきた。【福岡吉央】