小さな大魔神がハマスタの歓声を独り占めした。DeNAのドラフト1位山崎康晃投手(22)が広島戦でプロ初セーブを挙げた。初めてのお立ち台に上がると「初セーブをした山崎康晃です! 今日の経験を生かして『小さな大魔神』になります!」。自軍9安打に対し、相手打線に17安打されながら、もぎ取った大きな1勝をプロ1年生が堂々たる投球で締めくくった。

 わずか1点リードの9回。リリーフカーに乗って本拠地の公式戦初マウンドに登場。会沢、木村昇を直球でねじ伏せ、2死とすると代打天谷に詰まり気味の打球で左前に落とされたが、最後は野間を落差あるツーシームで空振り三振に仕留めた。「ここでおどおどしていたら小さな大魔神にはなれない。プレッシャーがかかることは分かっていた。強い気持ちだけを持ってマウンドに向かった」。新人離れした強心臓ぶりを発揮し、勢いに乗る赤ヘル軍団の息の根を止めた。

 乱打戦に終止符を打つ投球に中畑監督も最上級の賛辞を並べた。「でっかい白星だね。半分以上は負けている。徳俵で踏ん張りきった。気持ちの入った、魂のこもったボールを投げてくれた」と当面は抑えを任せることをあらためて明言。当初は先発起用を模索したが、キャンプ後にリリーバーへ抜てきした新人右腕がチームの窮地を救った。

 身長177センチと決して体格は大きくはないが度胸満点の新守護神。勝ちパターンの最後は山崎康が張る。【為田聡史】

 ◆山崎康晃(やまさき・やすあき)1992年(平4)10月2日、東京・荒川区生まれ。小1で野球を始め、尾久八幡中では西日暮里グライティーズ。帝京2年夏、3年春に甲子園。亜大3年の日米大学野球で抑えとして優勝に貢献し最優秀投手に選ばれる。177センチ、83キロ。右投げ右打ち。契約金1億円、年俸1500万円(金額は推定)。