敗れはしたが、これが「どんたく」攻撃だ。ホークス打線が「どんたく博多デー」に3本塁打を放った。5回に柳田悠岐外野手(26)が3号の中越え2ランで1点差に迫った。今宮健太内野手(23)が3回に2号ソロ、吉村裕基外野手(30)が4回に1号ソロをそれぞれ左翼ホームランテラス席にぶちこんだ。追い上げ及ばず今季2度目の連敗となったが、強力打線は盛り上がってきた。

 「熱男にわか面」をつけて声援を送る鷹党に、柳田が力強い1発を届けた。5月3、4日の博多どんたく本番を前に行われた「どんたく博多デー」。地元出身芸人、博多華丸・大吉が応援に駆けつけるなど、お祭りムード一色だったヤフオクドームをひと振りで盛り上げた。

 4-7で迎えた5回2死一塁から西武岡本洋のチェンジアップをバックスクリーン左に運ぶ3号2ラン。4月16日オリックス戦以来、8試合ぶりとなる1発で、勝ち投手の権利目前だった右腕をマウンドから引きずり下ろした。

 「いいバッティングができた。あの打席はよかったけど、その後がね…。いい感触はあったので続けていきたいです」

 初回にも中前打を放ち、今季11度目のマルチ安打。打率リーグ2位の3割6分3厘を誇るバットはこの日も健在だった。

 3回には今宮が今季2号となる左翼ホームランテラス席へのソロ。カウント2-2からファウルで2球粘った末の1発だった。試合前のベンチで、追い込まれたら右方向を意識するよう、評論家の秋山前監督に言われ「去年まで言われながら、忘れていたことを思い出した。感謝しています」と礼を述べた。

 柳田の1発で一時は1点差に迫ったが、この日は投手陣が9失点。本拠地で今季初めてのカード勝ち星なしにも、工藤監督は「(柳田は)すごくいい状態を続けてくれている。今宮くんも復調してきている。兼ね合いだよな。そういうところで投手が抑えたら勝てる」と、前を向いた。

 明日28日からは札幌で2・5ゲーム差の首位日本ハムと2連戦が待っている。指揮官は「ホームで勝てなかったから、ビジターで勝つ」と必勝を胸に、北の地へと向かう。【福岡吉央】