ロッテ大嶺祐太投手(26)が苦しい台所事情を救った。日本ハム相手に5回5安打2失点で今季初勝利。走者を背負っても大崩れしなかった。責任投球回の5回ちょうどで降板し「もう少し長いイニングを投げて、中継ぎの人を楽にしたかった」と反省したが、チームは前日まで2試合連続2ケタ失点で連敗。先発したイ・デウン、藤岡が2軍降格と厳しい状況に追い込まれていただけに、価値ある1勝だ。

 もともと、先発のつもりはなかった。今季は中継ぎとしてスタートしたが、2番手で初登板した4月19日ソフトバンク戦で3回1安打無失点と好投。頭数が足りないチーム事情があり、前回から先発に回った。「長いイニングを投げられるか不安はあった」。それでも、勝負どころで逃げなかった。2-0の4回2死満塁では、岡を見逃し三振。アウトローへ146キロを決めた。「昨日まで嫌な負け方。気持ちで負けないように」という姿勢が出た。

 中継ぎとして強い球を放れるよう、去年のセットポジションをやめ、ノーワインドアップで投げる。力強さを取り戻した球は先発でも心強い。伊東監督は「十分、3番手」と涌井、石川に次ぐ地位を認めた。苦しい戦いは続くが、前半戦のヤマ9連戦は、これで3勝3敗。先発が増えた朗報を弾みとする。【古川真弥】