亜大の諏訪洸投手(3年=下妻二)が、リーグ史上3人目の完全試合にあと2人まで迫る快投を見せた。9回1死走者なしから国学院大の西浦丈司内野手(4年=天理)に本塁打を浴びたが、無四球1安打で大学公式戦初完投。身長168センチの小柄な左腕が、エース不在で苦しんでいたチームを救った。

 亜大のリーグ60年ぶりの完全試合は1発で夢と消えた。9回1死カウント0-1から、諏訪が投じた138キロの直球が甘く入った。初の出塁が痛恨の左越え本塁打。「6回くらいから意識した」という大記録は逃したが、今季チーム初の完投勝利。「ショックは大きかったけど、気持ちを込めた球だったので悔いはない。今までで一番良い投球ができた。四球ゼロで、大学で初めて9回を投げ切れてうれしい」と168センチ左腕は胸を張った。

 ○…164センチの国学院大8番打者・西浦のひと振りが大記録達成を阻止した。9回1死無走者。その2球目だった。138キロの内角速球を強振すると、左翼席に運んだ。「このまま終われない、振り切ろうと思っていました」。前打席の三振も初球の空振りも同じ球。「狙っていました。みんな『自分が、自分が』と空回りしていたと思う」と振り返った。今季初安打が公式戦初アーチに。兄はヤクルト西浦で「昨日、頑張れと言われたばかりなんです」と言って引き揚げた。