DeNAが「奇跡の逆転劇」を逃した。4点を追う9回。山崎憲が四球を選び出塁すると、梶谷、ロペスの連打で無死満塁の好機をつくった。相手の暴投で1点を返すと、なお1死二、三塁からバルディリスの2点適時打で1点差。さらに、安打で続いた荒波が、二盗を決めて、1死二、三塁で一打サヨナラの場面まで作ったが、高城、代打白崎が倒れて万事休す。

 土壇場で驚異的な粘りを見せたが、中畑清監督(61)は不満顔だった。先発三嶋が5回3失点、4四球と精彩を欠く内容に「しまりもないし、らしさもない。中身がふがいない」と指摘。3番手で送り込んだ林も、2死から四球で出した走者をかえされて追加点を許した。ここまで外国人先発投手には7戦全勝中だったが「戦う姿を見せなければ、最後のところも逆転まで野球の神様は与えてくれない」と口を一文字に結んだ。

 交流戦の開幕カードは我慢との戦いでもあった。右太もも裏を負傷している筒香を3戦連続で欠場させた。この日も、代打待機はさせたが起用は避け「使いたかったけど明日に備えた。勇気ある徹底をした」とじっとこらえた。今日29日からのロッテ3連戦はDHが可能になり「いけるんじゃないかという期待感はある」と主砲の復帰を示唆した。【為田聡史】