4本柱フル回転じゃ! 広島先発の前田健太投手(27)が7回4安打1失点と好投するも9回、DeNAに勝ち越しを許し連勝が止まった。上位球団との差を埋められないまま残り試合は40試合。負けられない戦いが続く広島は、リーグ屈指の安定感を誇る先発主戦4投手をフル稼働させて巻き返しを図る。

 快音を残した松山の打球は右翼フェンス直前で、梶谷のミットに収まった。マツダスタジアムは歓声からため息に包まれた。7回4安打1失点。尻上がりに調子を上げた前田に送った代打策は実らず。敗戦で連勝は止まったが、前田の108球という球数が、広島のラストスパートの合図となる。

 前田 最後はいい感じで投げられた。(敗戦は)仕方がない。また明日に切り替えていきたい。残り試合も少なくなってきたので、明日が大事。

 チームを勝利に導けなかったエースは、一戦必勝を口にした。6年連続2桁勝利はお預けとなったが、自身の記録よりもチームの勝利が最優先。次回登板を見据え、敗戦から気持ちを切り替えようと努めた。

 残り40試合。チームは先発4本柱のフル回転を稼働する。畝投手コーチは「ちょっと早いが、頑張ってもらう。選手たちも分かってくれている」と言う。開幕から先発は中6日登板が基本線。しかし上位球団との差はジワリジワリと広がっている。当初8月下旬の稼働を予定していた前田、黒田、ジョンソン、福井の先発4本柱の中5日登板を前倒しすることが決まった。

 今季5番手以降の先発が台頭しない。実績のある野村が不調。薮田や中村恭、九里という若手投手をテストするも、首脳陣を納得させることはできなかった。5番手以降に不安を残す一方で、先発4本柱はリーグ屈指の安定感。チーム49勝の約65%に当たる32勝を得ている。

 首位まで5・5ゲーム差。これ以上離されるわけにはいない。

 緒方監督 (残り)40試合とかで見ていない。ここまで言ってきたように1試合1試合。相手がどこであろうと、チームの総力で戦っていく。

 追いつき、そして追い越すために、ラストスパートをかける。【前原淳】