ソフトバンク李大浩内野手(33)が、先制のソロを含む2安打2打点の活躍でCS突破王手へ導いた。2回に右翼ポール際に技ありのアーチをかけてチームを勢いに乗せると、6回には内川の勝ち越し2点二塁打の直後に適時打。ロッテを意気消沈させる追撃打で6打数連続安打を演出した。

 李大浩らしい1発だった。左腕古谷の初球、外角直球を逆らわず右方向へ。力強い打球は、そのまま右翼ポール際のスタンドに突き刺さった。「そこ(右)しか打てない球だった。きっちり腕を押し込んだ分、スタンドに入りました。昨年も何度かやっている。内角は投げにくいから外だと」と読み通りだった。古谷とは今季チームとしても初対戦。だが、昨年9打数6安打と打っていた、いいイメージを再生し、初球から積極的に打ちにいった。

 李大浩の打撃もCS開幕前の心配の種だった。優勝決定後16試合で51打数8安打。打率1割5分7厘。2本、5打点と不振に陥っていた。「最後、よくなかったのは認めます。優勝が決まって集中力が落ちてしまった。本塁打がほしくてスイングを大きくして崩してしまった」。30本の大台に乗せようと大振りになったことを自覚していた。CSまで期間があったために、分かった上でのオーバースイング。大舞台の開幕までにきっちりと自分のスイングに戻した。

 6回には右前へ適時打。「走者をかえそうと、コンパクトにね。昨年を経験しているので余裕があります」。昨年、不動の4番として苦しみながらも日本一になった経験が、今年に生きている。

 試合後はバンデンハークのアナ夫人に笑顔で「ホームラン」と声をかけられ笑顔で応えた。CS突破へ王手をかけ「野球はそんなに簡単にいかないが、決めたいと思います」と力強く全勝フィニッシュを誓った。【石橋隆雄】