夢のスタートラインに立つ。今日22日のドラフト会議で上位指名が確実な関東第一(東東京)のオコエ瑠偉外野手(3年)が21日、千葉・白井市内の同校グラウンドで取材に応じた。「12球団どこでも頑張る。将来はメジャーリーグに行きたい」とあらためて宣言。甲子園4強から、さらに進化を遂げた注目度NO・1外野手が、運命の日を迎える。

 運命のドラフトを目前にしても、オコエに緊張の色はなかった。15社34人の報道陣が集結し、テレビカメラ8台が待ち構えたが「走ってグラウンドに入ったほうがカッコイイですかね」と余裕たっぷり。全12球団から調査書が届いた注目度NO・1外野手は「覚悟は決めているし、自分は待つだけですから。試合の前日は眠れないこともあったけど、今日は大丈夫だと思います」と白い歯を見せた。

 甲子園を沸かせた夏から、一段とパワーアップした。下半身は明らかに厚みを増し、打撃練習でも力強く豪快なスイングを披露。ウエートや体幹トレーニングの効果で「体重は5、6キロ増えて、90キロ以上あります」と明かした。武器の足にも磨きがかかり「昨日(20日)の体育の授業で1500メートルを走ったら、5分半だったのが5分で走れたんですよ」と驚異的なタイム短縮を得意げに話した。

 「即戦力宣言」も飛び出した。プロ志望届提出後も毎日約2時間の練習で汗を流した。オフに仲間とカラオケやボウリングに行ってリフレッシュしつつも「遊びすぎないことを心がけた」と手を抜くことなく、体づくりを進めてきた。スカウトから将来性を評価する声は多いが「うれしい気持ちと悔しい気持ちの両方。1年目から1軍でやりたいので」と言い切った。

 ドラフト指名はスタートラインにすぎない。「トリプルスリー」を目標に掲げる18歳は「決まった球団でチームのために頑張って、通過点としてCSにも出たい。将来メジャーで戦える選手になりたい」。母早苗さんからもらった京都・清水寺のお守りを手に、その時を待つ。【鹿野雄太】