投手キャプテンに福原! 阪神金本知憲監督(47)が6日、大阪市内で催されている大阪モーターショーのトークショーに参加し、来季から福原忍投手(38)が投手キャプテンに就くことを明かした。既に通達されており、12年の藤川以来、4年ぶりの復活。2年連続で最優秀中継ぎ投手賞に輝いたベテラン右腕が、金本新体制を底支えする。

 ル・マン24時間レースも真っ青な143試合耐久レースを制するため、チームKANEMOTOを率いる金本監督が描く構想に抜かりはない。直線でも急坂でもヘアピンカーブでも抜群の安定感で走り抜けたい。車は4輪で走る。指揮官はピットインで新たな「タイヤ」を加えるという。大阪モーターショーの聴衆に、来季の構想をこう明かす。

 「野手は鳥谷がキャプテンマークをつけています。年齢的にも、実力的にも彼がグイグイ引っ張ってほしい。投手は先発陣と中継ぎ陣に分かれますが、福原ですかね。最年長だし、彼は意外に見た目よりもしっかりしている。モノも言える選手なので、福原に任せようと思っていますね」

 チームが一丸となって戦うためにも、来季はキャプテン2人制を敷く計画だ。目玉は「投手キャプテン」の復活。藤川が11年オフから就任し、12年に1シーズンだけ投手を率いたが、メジャー挑戦したため、13年からは鳥谷がチーム全体のキャプテンを務めていた。金本監督から新たに投手陣のリーダーに指名されたのは来年40歳シーズンを迎えるベテランだった。すでに本人に通達済み。指揮官は「苦笑いしていたよ」と明かす。

 今季もリーグ最多の39ホールドポイントで、2年連続の最優秀中継ぎ投手賞に輝いていた。生え抜きで、来季プロ18年目は経験、実績ともに申し分ない。「40歳(シーズン)でリリーフは相当キツイ。先発ならまだしもリリーフで。ストレートもそんなに落ちてない。来年も今年と同じくらい期待してしまう」と指揮官。異例のベテラン抜てきに映るが、これまでもキャプテンシーも発揮してきた。

 シーズン中、遠征で若手投手を食事に誘い、親身に助言する。今季は若きエース藤浪も福原から受けた技術的な指摘を生かして、飛躍した。新加入の金村投手コーチと同い年で、藤川は長年、苦楽を分かち合った戦友だ。まさに「橋渡し役」として理想の存在だろう。難所だらけのペナントレース。金本監督、上本選手会長、鳥谷野手キャプテン、そして福原が胸に「C」マークをつける…。力強い4輪をそろえ、長丁場の戦いに臨む。