侍の復権は抑えの固定にあり-。侍ジャパントップチームが4日、ナゴヤドームに集まり5、6日に行われる台湾との強化試合に向け練習を行った。

 始球式を務める元中日の郭源治氏(59)は、日本通算100勝、100セーブを達成したレジェンド。かつての本拠地・名古屋で小久保監督を激励した。昨年のプレミア12が象徴的だったように、クローザー確立は侍ジャパンの最大案件。「1番は経験。とにかくハートが強くないと」と、一発勝負の幕引きこそ専門家に託すべきと語った。1年後のWBC本番に向け、タフガイの選定が始まる。

 あのいかり肩も、鋭い眼光も健在だった。日本で6人しかいない大記録を達成した郭氏は、母国の野球連盟で首席顧問を務めた過去もあり、世界の野球に非常に明るい。「ダルビッシュもそうだったけど、いきなり抑えは不安だったでしょう」と、09年WBCで決勝トーナメントから抑えに回ったダルビッシュを引き合いに出した。「結果を受けて研究するのが、日本野球のいいところ。小久保監督もしっかり考えているでしょう」とエールを送った。

 1年かけて、日の丸の9回を託す守護神を探す。権藤投手コーチは「枠は1つ。いい“におい”のするヤツを選びたい。短期決戦だから、1回決めたらそいつで」と、郭氏の思いに追随した。今回抑えの専門家は山崎康、増井、西野の3人。強打の台湾相手に最初のアピールが始まる。【宮下敬至】