日本ハム大谷翔平投手(21)が悪条件のマウンドに苦しんだ。DeNAとのオープン戦(鎌ケ谷)は、試合開始の時点で気温7・7度、冷たい雨が降る最悪のコンディション。「ある程度、腕は振れないだろう」と覚悟してマウンドに上がったが、先頭の内村へストレートの四球。荒波の犠打を挟み、続くロペスへも2ボールとなり、真ん中に入った直球を痛打された(三塁強襲安打)。「相手と勝負できていない」。162キロをマークし、打者を圧倒した2日・巨人戦の姿とはかけ離れていた。

 足元もぬかるみ、全43球のうち21球がボール球だった。3回2死満塁のピンチを迎えたところで降雨ノーゲーム。結果的には昨秋の「プレミア12」から続く連続無失点を継続して試合を終えたが、大谷は「いいところがない。収穫のないマウンド。今日の登板はなかったものと考える」と納得はいかなかった。栗山監督も「こういうことはシーズンでもある。苦しんだときに何ができるか。翔平もいろいろ感じたはず」。今日10日が雨予報だったため、1日前倒しでの登板となった。それでも雨に見舞われたが、苦しんだ43球にも意味はあったととらえている。

 次回登板は17日ソフトバンク戦(鎌ケ谷)で、開幕前最後のマウンドになる見込み。舞台は再び鎌ケ谷。昨年のオープン戦でも4回5失点となぜか相性が悪く、大谷は「鎌ケ谷でいい投球をした覚えがない」と自虐的に話すが、今度は晴れて気温も上がる予報。快投ですっきりと開幕へ向かいたい。【本間翼】