1球の怖さを思い知らされた。DeNA今永がプロ野球史上初の「巨人1回戦」で先発デビュー。強力打線を相手に堂々の投球を披露したが、パワーヒッターへの“失投”に泣いた。「緊張するかと思っていましたが普通に試合に入れました」とマウンドでは落ち着き払っていた。内角を強気に攻める投球スタイルも健在。だがプロの世界は簡単に初勝利を与えてくれなかった。

 順調に滑り出したかと思われた2回だ。1死で迎えた5番クルーズへの1ストライクからの2球目。低めを突いたはずだったスライダーをすくわれ、左翼席への先制ソロを浴びた。さらに4回先頭の立岡を四球で歩かせると、1死一塁からギャレットに投じたスライダーが甘く入り、右越え2ランを食らった。「もう1個外なのか、もう1個低くなのか、というところを突き詰めないといけない」と悔やんだ。

 初登板で初黒星を喫したが収穫もある。「負けた投手が言うのはおかしいかもしれないが、悲観的になる内容ではないと思う。内角にも投げられていたし、次につなげることが大事」と振り返った。最速は147キロで毎回の9奪三振。腕も振れている。次戦こそはプロ初勝利をもぎとる。【為田聡史】