立大が慶大に連勝して勝ち点を3に伸ばし、99年秋以来の優勝をたぐり寄せた。4-4の8回、代打の松崎健造内野手(2年=横浜)が右越えに大学1号の決勝ソロ。21日からの明大との直接対決で勝ち点を奪えば、13度目のリーグ制覇が決まる。勝ち点を落とした慶大と、3連覇を狙った早大は優勝の可能性が消滅した。

 松崎の一撃が夢をつないだ。4-4の8回1死走者なし、今秋ドラフト候補右腕の慶大・加藤拓也投手(4年=慶応)の甘く入ったフォークをとらえた。「ホームランの弾道がわからないので、全力で走った。(右翼席に)入って頭が真っ白になった」。高校通算1本塁打だった170センチの左打者は、お祭り騒ぎのナインと喜びを分かち合った。

 同期に後れを取った悔しさを晴らした。昨春は新人戦前に食中毒で離脱。夏には右脇腹を肉離れし、復帰直後にも左足首の靱帯(じんたい)を損傷した。今春も3月に左足首を痛め、リーグ戦初出場は4月18日の法大戦だった。横浜高でともに戦った日本ハム浅間、法大・川口凌内野手、明大・渡辺佳明内野手らは1年目から活躍。「自分はベンチにも入れず悔しかった。浅間の打撃フォームを動画で見て参考にした」。高2夏に1学年上の楽天松井裕(桐光学園)から3安打した男が、下半身の粘りとパンチ力を身につけた。

 恩師にも成長した姿を見せた。スタンドで観戦した横浜高の前監督、渡辺元智氏(71)は「ハートが強い子だけど、ホームランはビックリした」と目を細めた。試合後に声をかけられた松崎は「見に来られていたのは知らなかった。打ててよかった」と笑顔を見せた。

 入学前の14年秋、立大は開幕7連勝から優勝を逃した。最終カードの明大戦、先勝して王手をかけながら引き分けを挟んで連敗した。因縁の相手には恩師の孫にあたる渡辺に加え、高校の先輩・柳裕也投手(4年)がいる。「柳さんはすごい投手だし、食事にも連れて行ってもらった。でも、自分の感情は殺して勝つことに集中したい」。17年ぶりの優勝がかかる大一番で、松崎が再び大仕事をやってのける。【鹿野雄太】

 ◆優勝の行方 立大が連勝し、勝ち点4以上の優勝争いとなった。立大は現在勝ち点3、7勝3敗。明大は早大3回戦を残すが、すでに勝ち点3、7勝4敗1分け。両者は21日から直接対戦し勝者が勝ち点4に。明大は早大3回戦に勝てば勝ち点5もあり、現在勝ち点2の慶大、勝ち点1の早大は残る早慶戦で勝ち点を挙げても届かない。