阪神鳥谷がベテランの意地を見せた。エース則本に苦戦し、5回まで無安打。6回1死の3打席目、フルカウントからの7球目を中前にはじき返した。痛烈なライナーが、復調傾向を示すのか。惨敗のなかで唯一の好材料だった。

 交流戦開幕も1番を任され、試合前のフリー打撃を終えると金本監督から声を掛けられた。長らく本調子ではなかったが5月も終わり、ここから先は主力がチームを引っ張る時期だ。安打について問われ「そうですね…」と言葉少なだったが、本来速球に強い鳥谷が則本の145キロに振り負けなかったのは朗報だろう。

 安打直後は一塁走者として上本の左翼線二塁打で本塁突入。楽天守備網の中継プレーとの勝負になった。1度は球審がアウトと判定し肩を落としたが、リプレー検証の末、セーフに覆った。審判団は「走者の足がタッチより早くホームベースに入っている」と説明。一瞬を制したスピードなどハツラツさが目立った。