ピート・ローズもイチローも、祝福してくれるに違いない。阪神福留孝介外野手(39)が、ソフトバンク戦で劇的すぎるサヨナラ安打を放った。9回2死二塁から日米通算1995安打目となる左前打だ。守護神サファテの外角フォークにバットを当てた。打球は三遊間を抜けてチャージした左翼手中村晃がバックホーム。走者俊介がタッチをかいくぐって本塁に滑り込んだように見えた。1度はセーフの判定も、リプレー検証が実施。数分後に今季4度目のサヨナラ勝ちが決まった。

 甲子園が静まり返った。「判定通りセーフ」のアナウンスが場内に響くと、阪神ベンチは再び喜びに沸き返った。福留は「バットに当てて前に転がせば何か起こると思っていた。コンパクトにいこうと思っていた。何が何でも食らい付いていこう、と。バットに当てることを考えていった」。金本監督は「次のゴメス(の調子)が上がっていなかったし、福留と勝負してくれないかと思っていた」と、頼れるベテランの一打を喜んだ。

 この日の3安打で、日米通算2000安打まで残り5本となった。「本拠地で決めるに越したことはないよね。阪神ファンも喜んでくれると思うし、なるべくそのつもりで頑張ります」。本拠地の、あと3試合となった交流戦期間中の達成を視野に入れた。

 今季の交流戦で、ソフトバンクに勝ち越したチームはまだない。金本監督は「(勝てば勢いが)出ると思う。まあ、なかなか難敵だけど」と話していたが、その強敵から奪った劇的な白星だった。