虎が悲しい現実に直面した。中日に逆転負けしてカード負け越しを喫し、ヤクルトが巨人に勝ったため、今季初めて単独最下位に転落した。終わってみれば大敗だったが、試合の流れを変えたのはミスの積み重ね。今季最多タイの借金8を背負い、前半戦勝ち越しも消滅した苦境から、虎よ、はい上がってくれ。

 悲しい知らせはナゴヤドームベンチ裏での敗戦会見中に届いた。虎敗戦から32分後。秋田でヤクルトが巨人に逆転勝ちし、阪神は最下位転落。1分けを挟んで8連敗の魔の日曜日に屈辱のテールだ。だが、虎の将は毅然(きぜん)と言った。

 金本監督 前半の順位なんてそんなもん、1日で1位から3位とか、3位から5位とか、関係ない。今は上しか見ていない。一番上しかね。3位までナンボ、2位までナンボとかも見たことがないし…。後半過ぎて1位までナンボか、そこはしっかり見ていくけどね。そこしか見てやらない。

 まだ64試合もある。借金は最多の8に戻り、首位広島とは最大タイの12ゲーム差。それでも、2位中日とは2差。すぐAクラスに浮上できる位置にいる。勝負をかけるのは球宴明けから。決して悲観することはないと、ナインを鼓舞した。

 もちろん、指揮官も現実は直視していた。9安打しながら、本調子ではない吉見らから3点だけ。拙攻&自滅負け。ポイントは恒例のバント失敗だった。

 金本監督 流れが変わるからね。キャンプからやってきて、投手のためのバント練習もわざわざ3、4回やった。それだけやってるのに…。もう1回徹底してやらざるを得ないね。ただやるんじゃなく、ちゃんと正しく形を理解して反復練習するしかないよ、もう。

 同点の2回1死一塁で岩貞が送れず捕ゴロ併殺。岩貞は今季、送りバントを6度試みて成功は1度だけ。自身を援護できなかった左腕は3回、先頭大島の暴投振り逃げからピンチを招き、福田に満塁弾を浴びた。ただでさえ打線がつながらない状況で負けるべくして負けた。交流戦明けのキーマンと期待した鳥谷も4の0で、攻守に精彩がないと厳しく指摘した。

 金本監督 (4回に左翼へ抜けた大島の)ショートライナーも自分の(守備)範囲だからね。打つ方でも進められなかったり…。長年やってるんだから。俺らも言うことはキャンプからずっと言ってきた。自分で打破していくしかないよ。

 6日にも自力優勝が消滅する苦境。もう1度、各自がやるべきことを肝に銘じて戦わないと、逆転優勝も絵空事で終わる。明日5日からは巨人3連戦。まずは宿敵相手に猛虎の意地を見せてほしい。【松井清員】

 ▼阪神の自力優勝は、最短で6日に消滅する。阪神●●で広島○○が条件。これ以降、阪神は62試合に全勝しても、最終成績は96勝44敗3分けで勝率6割8分6厘。広島は阪神戦残り13試合に全敗しても、他球団との残り48試合に全勝すれば、97勝44敗2分けで勝率6割8分8厘となるため、阪神を上回る。

 ▼阪神は前半戦勝ち越しが消滅した。残り8試合を全勝しても42勝42敗3分けで5割。負け越しターンに王手。前半戦負け越しとなれば2年連続。前半戦負け越しで阪神が優勝した年はない。