巨人橋本到が、2打席連続適時二塁打で不動の1番打者に名乗りを上げた。2回、阪神能見のスライダーを右翼線ギリギリのフェアゾーンに落とした。「最初はファウルかなと思った。甲子園の風もちょっと味方してくれた」。2回の先制打に続き3回にも2点適時打を放ち、巨人戦通算20勝の難敵をKO。3連勝に導き、6月10日以来の貯金1とした。

 甲子園はプロ入りのきっかけをつかんだ場所だ。仙台育英時代に3度甲子園に出場し、3年時に6打席連続安打を決めた。「その間は本当に苦しかった。試合の朝、気持ち悪くて、吐いてしまった。気にしないでおこうと思っても、どこかで意識していた」。8年後のこの試合では、2打席連続適時打で自身初の4打点。聖地で再びチャンスをつかみつつある。

 チームは今季、1番打者を9人も起用して固定できていない。橋本到は6月12日に1軍昇格後16試合で1番を任され、前半戦最後の広島2連戦では9打数4安打1打点。トップバッターに定着すれば打線の流れが完成し、首位追走のキーマンとしても期待される。高橋監督は「これをきっかけにしてくれたら」。10ゲーム先の広島を、一戦必勝で追いかける。【細江純平】