守護神から先発へ転向した日本ハム増井浩俊投手(32)が8月4日ロッテ戦(QVCマリン)で今季初先発を予定していることが25日、分かった。1軍での先発はルーキーイヤーの10年以来6年ぶり。今日26日からは6週連続6連戦が始まり、逆転Vを狙うチームにとっては1枚でも多く先発の駒を増やしたい。正念場の夏に、とっておきの切り札を投入する。

 大どんでん返しの夏を実現するべく、日本ハムが勝負手を繰り出す。守護神から先発として再出発を図る増井を、8月4日ロッテ戦で今季初先発させる見込みとなった。配置転換で復活を目指す右腕を早期に投入。今日26日から始まる真夏の6週連続6連戦を乗り切るため、先発陣を盤石にするための布石を打つ。

 栗山監督は8日、増井に先発転向を直接言い渡した。意図として「優勝するためには、先発投手をそろえるのは重要な要素」と力説。連戦が続く8月以降の戦いを見据え、先発の布陣をより強固にする狙いがあった。現状の1軍先発陣は5人だが、一角を占める吉川は前回登板の20日楽天戦を5回途中で降板するなど不安定な内容が続いている。

 また、前日24日オリックス戦で中継ぎ登板した大谷も本調子ではなく、今後についても不透明さを残す。その中で、8月最初のカードで増井が先発として戦力になるメドが付けば、チームにとっても大きい。現在の先発ローテーションが崩れても、すぐに立て直しが可能。勝負どころも腰を据えて戦うことができるようになる。

 着々と6年ぶりの1軍先発へ準備は進んでいる。ここまで2軍戦で2度先発マウンドに上がった。「自分が1軍に戻ってくるには、そこ(先発)しか用意されていない」と、覚悟を決めて新たな役割と向かいあう。首位ソフトバンクとは4・5ゲーム差。不退転の決意を秘める前守護神が、逆転Vの切り札となる。