中日吉見は何度も首をひねった。「感じはよかった。調子がいい方だったと思うけど…。その上をいかれました」。阪神は前日(29日)から、早いカウントで振ってきていた。わずかな失投が安打になるたび、甲子園の大観衆が沸きに沸く。吉見にとって4年ぶりの甲子園のマウンド。百戦錬磨の右腕は、黄色い大波にのみ込まれていくように沈んでいった。

 「阪神にだけ気持ちよく打たれすぎている。対策を練らないといけない」。今季、対阪神3試合の防御率は9・42と突出して悪い。先制ソロを含む3安打を献上したサイクル安打の福留には「調子がいいとは思った。でもそういう打者を抑えないと勝てない」と悔しそうに話した。

 この日、母校の金光大阪が大阪大会準決勝に勝利。吉見はエースとしてセンバツ出場経験があり、双子の弟たちも夏の甲子園に出場している。後輩たちが目指す舞台が試練になった。最近7登板で1勝だけと調子を落としている。

 谷繁監督は「悪くはなかったと本人も感じていると思う。阪神が積極的にくる中で失投した」と相性の悪さを不安視。再び阪神に並ばれ4位タイ。もう8月に入る。球場や相手を選んでいられない。吉見が意地を見せないことには上位進出も望めない。【柏原誠】