DeNAがスポーツのデジタルコンテンツ事業を展開するパフォーム・グループ(本社英国)が提供するスポーツのライブストリーミング(動画視聴)サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」と、球界では初めて契約することが22日、分かった。複数年に及ぶ契約で放送権は総額数億円になる見込み。今日23日の阪神戦(横浜)から配信が開始される。

 ベイスターズが、インターネット中継の主役に躍り出る。かつて、テレビの野球中継といえば巨人だったが、時代はテレビからインターネットの動画配信へと広がっている。DeNAは今季これまでも、インターネット3媒体で中継を展開してきた。さらに英国に本社を構え、スポーツ動画中継サイトの世界最大手「DAZN」での配信が開始されることが決まった。球界最多の4媒体の同時中継を配信することで、幅広い視聴者の獲得につながる。

 ここまで本拠地での主催試合は42試合が大入り。大盛況の半面、チケットを確保できずに球場で観戦できていないファンも増加する。地上波での中継は年間数試合ほどというのが実情。池田球団社長は「子どものころテレビで巨人の試合がいつも流れて人気につながった。これからはネット中継の世界ではベイスターズが“巨人”のような存在になりたい」とネット中継の可能性に期待を寄せる。

 世界中で視聴できるメリットを生かせば野球の裾野拡大に直結する。20年東京五輪で追加種目決定に沸く日本球界をけん引する意味でも、いち早くDeNAがワールドワイドなターゲットを視野に入れる。

 ◆DAZN(ダ・ゾーン) パフォーム・グループが提供するスポーツのライブストリーミング(動画視聴)サービスでサッカーJリーグが17年から10年、2100億円の放送権契約を結んだ。J1、J2、J3の全試合が生中継されることが決まっている。