ルーキーよ、失敗を糧にしろ!! 長期ロードを終えて本拠地甲子園に戻った阪神が想定外の連敗を喫した。先発青柳が1回、先頭坂口に与えた四球が引き金になり、先制の2点を献上。打線も老練なヤクルト先発石川を打ちあぐねて凡打を重ねる。金本監督も「内へ外へ、うまいこと投げていたように見えたけど」と渋い表情だった。

 シーズン終盤に入り、守備のほころびは致命傷になる。指揮官は青柳の四球に「ある程度、四球を出すのは計算のうちなんだけど、いきなりはちょっとね…」と話せば、無死一塁で三輪の左前へのゴロを後逸した高山についても指摘した。

 「ひきずってしまったから、打席でね。打撃にモロに出た。取り返そうとして力んでいたのか。次、同じようなことがあったときに普段通り、取り返すという気持ちを持ちながらも、焦りすぎないようにやっていくというね。1つの経験。大事にしてほしい」

 直前カードのDeNA3連戦で連夜の猛打賞、そしてプロ初の満塁アーチを放つなど、大暴れした高山の勢いが消えた。この日は左腕石川に4打数無安打。痛恨の失策は強く大きく育つための教訓だろう。クライマックスシリーズ進出圏内を目指すはずが、DeNAが再び2・5ゲーム差に遠ざかり、下位のヤクルトに抜かれて5位に後退した。

 今日28日の同カードが夏休みのラストゲーム。少年少女ら、多くのファンに意地を見せたい。金本監督も「秋に寂しい戦いにならないように、しっかり、明日からまた、毎日、毎日、勝負だけど、特にここというポイントがいくつかある。明日、夏休み最後かな、甲子園は。来ているファンを喜ばしてあげるというね。とにかく勝って。全員がそうやって思うこと」と語気を強めた。【酒井俊作】

 ▼阪神が長期ロード明けの甲子園で連敗したのは、06年8月25、26日巨人戦以来10年ぶり。06年は岡田監督の3年目で同3連戦は負け越したが3戦目は勝った。

 ▼長期ロード明け最初のカードでの負け越しは13年から4年連続となった。13年は広島に●○●、14年はヤクルトに○●●、15年もヤクルトに○●●だった。