さあ補殺歴代上位3位独占へ! 広島菊池涼介内野手(26)が、目標としている歴代補殺上位独占へのカウントダウンに入った。29日の巨人戦(東京ドーム)を含めて2試合を残し、現在519補殺。歴代補殺3位の坂本文次郎氏(大映=三塁手)がもつ522補殺にあと3と迫っている。

 補殺ジャックのカウントダウンだ。2試合の欠場を、菊池はものともしなかった。ここまで139試合に出場し519補殺を記録。すでに二塁手としての補殺上位3位独占に成功し、全ポジションに枠を広げた歴代補殺数ベスト3独占も目前だ。三塁手だった坂本文次郎氏が持つ522補殺まで残り3つに迫っている。

 菊池 残り2試合、しっかりさばいていきます。せっかくそういうチャンスが回ってきてくれたので。僕の補殺が増えることが、チームの勝利のためにもなると思うので。

 今季の菊池は1試合平均に換算すると3・7補殺。データ通りにいけば、29日の巨人戦(東京ドーム)にも達成する。打撃記録をまったく意識しない菊池も、補殺に関してだけは「1日4補殺」を目標に掲げてきた。「ワンツースリーにしたいです。いままでなかった新記録なので」と、昨季の契約更改の場から意気込んだ記録だ。

 類い希なる身体能力と、驚異的な守備範囲、そして抜群の肩の強さ。菊池は集中力が高まり「打つ瞬間から何も聞こえない」と言う極限状態でプレーする。「無のなかでひらめくことがある」と言う「感性」でスーパープレーが生まれる。当然のように難しい打球をさばく姿は、見る者を魅了する。

 チームは何度も菊池の守備に救われた。投手陣も称賛を惜しまない。百戦錬磨の黒田博樹投手(41)でさえも「20年プレーして、ああいう選手は見たことがない。メジャーでもトップクラス。一番は肩の強さ。肩が強い選手はいたけど、肩が強くてもあれだけ守備範囲の広い選手はいない」と目を丸くする。

 広島に優勝をもたらしたと言っても過言ではない菊池の超人的な守備。上位独占を目指す試合は、午後6時プレーボールだ。一挙手一投足から、目が離せない。【池本泰尚】