中日は29日、名古屋市内で会見を行い、森繁和ヘッドコーチ(61)の来季監督の就任を発表した。

 新監督は1度は小笠原道大2軍監督(42)に一本化されていたが、チーム状態が悪く、立て直しには指導者経験1年では時期尚早との判断で再考。谷繁元信監督(45)が8月9日に事実上の解任されて以降、代行監督として39試合を指揮してきた。

 森ヘッドコーチは「我々、苦い、厳しい1年間でした。要請を受けた日以降、いろいろ試してみましたが、そう簡単にはいかなかった。厳しいときに、引き受けていいかたちで次の人たちに渡っていくんだなという気持ちで引き受けました」と話した。

 球団創立80周年の今季、4年連続Bクラス、19年ぶりの最下位に沈んだ。佐々木崇夫球団社長(69)は「強竜復活に尽きる。森繁和さんに行き着いたというところです。かつての栄光を取り戻していただきたい」と期待した。

 チーム再建には戦力の整備も必要になってくる。今季、国内FA権を取得した大島、平田の動向も気になるところ。森ヘッドコーチは「うちの2人は残ってくれると信じているし、残ってくれるように動いていきたい」と自らもアプローチをかけるつもり。これまでも「国際渉外担当」として現地に足を運び、今季はビシエドらを獲得してきたが、監督を務めるとなると日程的に難しい部分も出てくる。「任せられる人がいる。でもしんどいけど、1回でも自分の目でも見たいと思う」とわずかな時間でも、新助っ人を求めて海を渡る考えも明かした。

 ◆森繁和(もり・しげかず)1954年(昭29)11月18日、千葉県生まれ。駒大高から駒大、住友金属を経て78年ドラフト1位で西武入団。89年から99年まで西武コーチ。日本ハムコーチ、横浜コーチを経て04年から中日コーチ。同年発足した落合政権の参謀となる。10年からヘッド。4度のリーグ優勝、1度の日本一に貢献し11年に退団。14年に再び中日のヘッドコーチに就任。国際渉外担当として編成にも携わる。通算成績は344試合に登板し57勝62敗82セーブ。防御率3・73。83年に最優秀救援投手を獲得。182センチ、85キロ、右投げ右打ち。