あらゆる可能性は消し去らない。DeNAアレックス・ラミレス監督(42)が、今日8日から開幕する巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(東京ドーム)を“慎重ラミちゃん”スタイルで挑む。3日にひっそりと42回目の誕生日を迎えてからは初の公式戦となる。「ファイナルステージ進出を決めたら大きなケーキを用意して」と異例の要望まで飛び出した。勝つまでは慎重を貫く。

 ラミレス監督は真顔のまま平然と言い放った。報道陣から初戦で先発予定だった巨人菅野についての質問が飛ぶと「明日、投げると思っている。コンディションが悪く3戦目という情報も出ていたが、それはウソだ。明日、投げられないのであればファーストステージの登板はない」。体調不良を理由に登板回避が予想される相手エースの情報が飛び交う中でも“最悪のケース”を想定から外さなかった。

 レギュラーシーズンとは異なり予告先発なしで戦う。情報の精査は勝敗に大きく影響を及ぼす。だからこそ、外部からの情報に惑わされずに、あらゆる可能性の中で準備を進めなければいけない。就任1年目でチーム初のCSに導いた指揮官は「現役時代も同じ。少し人とはやり方が違ったが、自分を信じてやってきた。今は選手たちを信じてやってきた。それが、この結果に結びついている」とチーム内の信頼、信用が何よりも重要だと強調した。

 少しだけ自分本位な? 野望もでっち上げた。調整期間中だった3日に42回目の誕生日を迎えた。だが「多くの人が僕の誕生日を忘れていた。大きなケーキが用意されることなく静かに過ぎていった…」と報道陣に視線をやりチクリ。代替案として「ファーストステージを突破したら大きなケーキを用意してもらいたい。皆さん、お祝いしてください」と要望した。

 ここまで同様、数字、情報を駆使した緻密な戦い方は変わらない。同時に現役時代のような明るさも“大舞台”では大きな武器になる。【為田聡史】