「ハマの主砲」を封じ込まれた。DeNAが、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦を落とし1勝1敗に持ち込まれた。前夜決勝2ランで試合を決めた筒香嘉智外野手(24)が3打数無安打に沈み、打線も沈黙。先発したルーキー今永が7回2安打1失点の好投も援護できなかった。運命の第3戦に向け、アレックス・ラミレス監督(42)は「Tomorrow is another day(明日があるさ)」と切り替えを強調した。

 ことごとく空を切った。6回、先頭で筒香が打席に入る。巨人の左腕田口の外角スライダーに翻弄(ほんろう)された。屈辱の3球三振。8回の最終打席は2番手マシソンの高めの直球を振らされて力負け。「やられた。ボール球に手を出して自分で苦しくしてしまった。ボール球を振った僕の負けです」と清く負けを認めた。

 巨人戦はレギュラーシーズンから3戦連発中で打線の核となれば、相手バッテリーの警戒レベルはトップを極める。それでも打つのが主砲の宿命だと理解している。「振らなければ何も始まらない。強く振ることは変えたくない」。内に秘める闘争心はプレーで表現するしか方法はない。「明日ですね。勝つしかない。ファンの皆さんも勝つことだけを期待している。頑張ります」と声のトーンを上げて締めた。

 反省した後は前を向いて進むしかない。ラミレス監督も主砲の心中に同調した。序盤の3回までは毎回走者を出し優勢に試合を進めた。3回、先頭の桑原がCS初安打で出塁。2死後に筒香、宮崎が四球を選んで満塁の絶好機を迎えた。スタメンに抜てきした白崎は空振り三振に倒れたが、同監督は「1打席目にヒットが出ている。1本出てくれればというところだったが、仕方がないこと」とかばった。

 ファイナルステージ進出は、第3戦の結果だけに集約される。苦しいときでも粘り強くコツコツと白星を積み上げ、ようやくつかんだCS切符。簡単に終戦するつもりはない。ラミレス監督は「筒香はベストを尽くしている。明日は打ってくれると信じている」と断言。均衡した一戦はわずかな差で星を落とした。そして、いつものように「Tomorrow is another day」(明日があるさ)と口にした。ラミレスDeNAには最終決戦が残されている。【為田聡史】