日本ハムが4年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。初回、ソフトバンク千賀の立ち上がりを攻略。「3番・DH」大谷翔平投手(22)が振り逃げで好機を広げ、ブランドン・レアード内野手(29)の3ランなどで一挙4点をリードし、そのまま4-1で押し切った。前日13日に逆転負けを喫した栗山英樹監督(55)が組み替えた打線が機能。第2戦でソフトバンクに傾きかけた流れを、引き戻した。

 ただでは転ばない。大谷が、文字通り“ラッキーボーイ”になった。1回1死二塁の好機。ソフトバンク千賀の低めフォークに空振り三振を喫したが、捕手・細川が捕逸するのを見て、一塁へ全力で駆けた。「相手のミスで得点できたのは、チーム的にはよかったと思います」。仮にアウトなら、続く中田の三振で攻守交代。振り逃げで生きたことが、試合を決定づけた初回の4得点につながった。

 先発登板翌日から2戦連続のスタメン出場。4年目で初めての試みだった。それでも「(影響は)特にはないです」。登板直後と翌日は湯船につからず、シャワーだけで済ますのが大谷流のこだわり。トレーナーは「意図が分からない」と苦笑いするが、今回も貫き、普段通りに準備を進めた。

 強行起用に踏み切った栗山監督は「疲れているのは分かっている」とは話す。だが大谷の存在が、チームの得点力を大きく変える。「(中田)翔の調子が上がってきている。4番の前後が大事」。この日も3番に、「大谷」と書いた。一方で、それ以外の打線の組み替えは的中した。今シリーズ安打のない田中賢を4年ぶりに9番へ配置。代わって5番に入れた近藤が先制打を放ち、6番に打順を上げたレアードが2戦連発の3ランを放った。大谷の“チャンスメーク”が、9回に逆転負けを喫した前夜の流れを変えていた。

 日本シリーズ進出まで、あと1つ。栗山監督は「最後の1つが難しい。相手はホークス。気を引き締めないと」と言う。今日15日の第4戦(札幌ドーム)も「3番・DH」での出場が濃厚な大谷は「ここまできたら結果がすべて。明日勝てば決まる。何とか貢献したいです」。自身の快投で幕を開けたCSファイナルSを、最後はバットで締めくくる。

 ▼日本ハムがシリーズ出場に王手をかけた。プレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで延べ29チームのうち26チームがシリーズに進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日しかない。日本ハムの得点は初回の4点だけ。プレーオフ、CSで初回の得点だけで勝ったのは07年1S第2戦中日、10年ファイナルS第3戦ソフトバンクに次いで3度目になる。第1戦の日本ハムは5回の6点だけで勝利。同一年に得点したのが1イニングだけの試合で「2勝」は初めてのケースだ。