さっそく「土井流」指導だ。前日26日に就任会見した中日土井正博打撃コーチ(72)が27日、ナゴヤ球場で高橋らにバントを実演しながら指導した。秋季キャンプの練習メニューにはバント、バスター、右打ちを徹底させる「マシン(小技)」が追加された。土井コーチは「バントをやる位置が打撃のポイント。バントからうまくなると長打も打てるようになる」と西武で入団したばかりの清原や松井稼に教えた理論を注入する。

 1本の手でバントさせるなどポイントを意識させた。もちろんバントの成功率を上げる意味もあるが、それ以上に得点力アップにつながる打撃練習の1つという。「それぞれに合ったバントのかたちを体に覚えさせる。下半身の使い方は打撃、守備、走塁につながる」と説明した。直接指導を受けた高橋は「漠然とするのではなく、意味を持ってやっていかないと。自分の打撃に役に立てば」と耳を傾けた。

 土井コーチ自身、現役通算2452安打、465本塁打を誇りながらも、14犠打を決めている。バントを打撃につなげた1人だ。「練習で泣いて、試合で笑えばいい」。徹底的に小技の鍛錬を積む。【宮崎えり子】