内閣大改造でV奪回へ。ソフトバンクは28日、来季コーチングスタッフを一部、発表した。1~3軍の大所帯で、復帰を含む新任4人のほか、配置転換や肩書が変更されたコーチは13人にも上る大シャッフル。工藤公康監督(53)の考えが2軍、3軍にも伝わるよう、適材適所の異動を敢行した。新体制で今日29日から秋季宮崎キャンプを行う。なお1軍ヘッドコーチには野球評論家の達川光男氏(61)が就任予定で、近日中に発表される。

 工藤監督のV奪回への強い思いが出た内閣改造だ。今季1軍で一緒に戦った7人のうち藤井、大道両打撃コーチなど4人はファームへ。逆に柳田を育てた藤本2軍打撃コーチら3人が1軍に昇格した。大シャッフルの理由を問われ、工藤監督は「いろいろだね。適材適所というのもある」と説明。工藤監督の考えを知るコーチがファームにいることで、3軍制で育成選手が20人以上いるチームの考えを統一させる狙いがある。

 大きな役目を担うのが倉野投手統括コーチだ。今季は「総合巡回コーチ」として、所属46投手を見てまわった。来季も役目は変わらないが、工藤監督は「より2、3軍へ僕の考えを伝える。こちらからの要求をより正確に伝えていく」と、権限を強化した。

 もうひとりは、チーフスコアラーから転任となる森1軍作戦コーチ兼バッテリーコーチ補佐。今季もベンチで工藤監督の隣で支えていた。工藤監督は「より意見を取り入れてやってもらおうかな。コーチにした方が選手にも伝わりやすい」と話す。スコアラーの集めたデータをさらにポイントを絞って的確に選手に伝える。作戦面でも監督と今まで以上に意見を交換しやすい状況とした。ここにヘッドコーチ就任が内定している達川氏が加わり、作戦をスムーズに練り出すことができる。

 野手総合巡回コーチだった関川氏はチームスタッフとしてチームを支える。球団を離れるコーチはわずか2人。血の入れ替えではなく、血を活性化させてチームを強化する。【石橋隆雄】