プロ野球ドラフト会議で中日から4位で指名された笠原祥太郎投手(新潟医療福祉大4年)が28日、同大で中田宗男スカウト部長、正津英志スカウトから指名のあいさつを受けた。笠原は「開幕一軍」と目標を色紙に記し、1年目からの活躍を誓った。

 プロ入りの実感が目標を明確にさせた。指名あいさつを受けた後の会見の場。笠原は色紙に目標を書き込んだ。「開幕一軍」。中田スカウト部長に「これ、1年目の開幕だよな」と、いじられると、「はい」と照れ笑いで答えた。

 左腕から繰り出す最速147キロの速球に、中田部長は「入学時から注目していた」と言う。そして「チーム事情から左投手が欲しかった。打者に対して攻める姿勢がいい。伸びる要素もある」と指名理由を話した。

 笠原の中では、スカウトからの言葉に発見があった。「直球が動く。打者にとって想定外の球が来る」(中田部長)ことだ。あいさつの場で告げられた。「自分では真っすぐだと思っていた。これも自分の武器なんだと分かった」。無意識だった才能を見いだされていたことを知り、プロでの活躍にさらに意欲が増した。

 もちろん課題も指摘された。ケガをしない体づくりだ。「長距離走は苦手」という笠原に、正津スカウトからは「キャンプまでにしっかり走っておくように」とテーマを与えられた。大学の単位は卒論と、1科目を残すだけ。「走ります」と冬場は体力づくりに励むことを最初の仕事とした。

 「創部4年目でプロから指名される選手が出てきた。彼の努力に敬意を表したい」。佐藤和也監督(60)はこう話すと、「今後は後輩の目標になってほしい」と付け加えた。それは笠原も承知している。目指すのは中日OBの左腕の大投手山本昌氏(51)。「山本さんのように、何年も投げ続けられる投手になりたい」。開幕一軍をクリアすることがその第1歩になる。【斎藤慎一郎】