日本一の次は、世界一奪還だ。日本ハム中田翔内野手(27)が1日、来年3月に控える第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、調整を早める考えを明かした。1月には恒例の米ハワイで始動。例年に比べ、帰国を同月中旬に早め、日本で春季キャンプ前に技術的な総仕上げを行う青写真。日本一チームの4番として責任感たっぷりに侍への準備をする。

 中田は新千歳空港で、羽田空港へ向かう搭乗便を待っていた。まだ、激闘の疲れは残る。自身初の経験となった日本シリーズ制覇から2日間の休息を終えた。「もう少し、休みたいけどね。そうも、いかないからさ」。今日2日から2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で始まる秋季練習に参加。5日に合流する侍ジャパンへ向け調整する。脳裏には世界一奪還を見据えた青写真も出来上がりつつあった。

 来年3月に第4回WBCが開催される。「それも含めて、早い段階で準備していきたい気持ちがある」。2大会連続で侍ジャパンに選出されることが濃厚。公式戦開幕より約1カ月早く、真剣勝負の舞台が待つ。17年の始動は毎年恒例の米ハワイ自主トレとなりそうで、年明け早々から、肉体を実戦モードへ鍛え直すつもりだ。

 今季は1月5日に日本を離れ、20日間の長丁場で肉体を追い込んだ。だが、来年は1月中旬に打ち上げることを検討している様子。帰国後も、普段は春季キャンプから徐々に始める技術的な練習を前倒しで進めるプランを練っているとみられる。

 3連覇がかかった前回大会は準決勝で敗れた悔しさがある。「これから(具体的に)詰めていくけどね」と、構想段階だが、早めの調整で雪辱する。前哨戦となる10日からの侍ジャパン強化試合も手を抜くつもりはない。「休みは少なくなるけど、しょうがないね」。日本一チームの4番は、目指す世界一を逆算して着々と準備を進める。【木下大輔】