今オフ、大幅なスタッフ変更を断行したソフトバンク。この秋から再びホークスのユニホームを着た立花義家1軍打撃コーチ(58)を直撃した。「骨太打線」の形成を目指し、まずは上林誠知外野手(21)ら若手陣のパワーアップに力を注いでいる。

 5年ぶりに熱血指導が帰ってきた。特打メニューでは「オイッ」、「オイッ」のかけ声とともに連続でティー打撃へのトスを上げる。一気に3、4箱も打ち続け、初体験の若手は足をつらし悲鳴を上げている。4日間の秋季キャンプ第1クールを終え、立花コーチは「まだ数日だけどね。本当に楽しみな選手がたくさんいる。若手をどう育てるか。若い人にどんどんと出てきてもらいたい」と充実した表情で話す。

 その中でも期待を込めるのが来季4年目の上林。「1軍の試合でも満塁本塁打を打たれたしね。足も速いし、レギュラーを取れるくらいにね。レギュラーと控えで差が開いているチームはダメ」。昨年8月25日ロッテ戦での満塁弾を相手ベンチで目にしているだけに、今季の伸び悩みから再び飛躍させようと指導する。

 ポイントは軸となる左足。「左足で打たないと飛んでいかない。しっかり重心を長く乗せてタメをつくらないと。投げる時と同じですよ」と送球時と同じイメージで打たせている。09年から12年まで4年間指導してきたメンバーが今のレギュラー。内川、高谷は34歳、松田33歳、本多32歳、長谷川31歳と年齢が上がっている。柳田、中村晃、今宮の次の世代を一人前にすることが急務だ。

 ロッテで角中らを育て、さらに経験豊かになって戻ってきた。今季は終盤に打線が湿りV逸。ベテランがへばっても勝ち抜ける打撃陣をつくっていく。【石橋隆雄】

 ◆立花義家(たちばな・よしいえ)1958年(昭33)10月27日、福岡県出身。柳川商から76年ドラフト1位でクラウン(現西武)に入団。低迷期から常勝軍団になるまで、勝負強い打撃で貢献。92年に阪神に移籍。93年には台湾でプレーした後に現役引退。13年から今季までロッテの打撃コーチ。ホークスでは98年~01年、09年~12年に続き3度目のコーチ就任となる。181センチ、92キロ。左投げ左打ち。