護摩行もやる!! 広島堂林翔太内野手(25)が3日、秋季キャンプに向けて、マツダスタジアムで汗を流した。オフには新井貴浩内野手(39)に弟子入りを直訴し、共闘を約束された。筋力トレーニングから打撃術までみっちり学ぶつもり。年明けには、燃え上がる炎の前で不動真言を唱える護摩行にも同行する。新井流を注入し、再びブレークのきっかけをつかむ。

 もう後がない。来季への覚悟は堂林の表情、言葉に表れている。「来年、結果を残せなければ、その先はないと思っている」。休養日にも、連日のように筋力トレや打撃練習を続ける。8日から始まる秋季キャンプに向けたものではない。シーズン中とシーズン終了後に2度、志願したベテラン新井との合同トレが待っている。来春まで、立ち止まるつもりはない。

 今季は2季ぶりの本塁打も、47試合出場に終わった。三塁では新加入ルナに加え、安部が出場数を増やした。先発13試合は12年以降ワースト。「試合に出ないと意味がない。ポジションにもこだわらない」。出番を増やすためには、なりふり構っていられない。

 休養は日本シリーズ終了翌日の1日のみ。10月31日から連日マツダスタジアムで汗を流す。秋季キャンプが終われば「どこまででも付いていく」覚悟の新井との合同トレで2000安打の打撃論を吸収するつもり。新井にとって広島復帰前から堂林は「若いころの自分に似ている」と感じる存在という。新井は「これからチームを背負って立つ存在になってほしいという気持ちは心の奥にあります」とも言っていた。

 チームメートとなり、直接打撃のアドバイスをしたことも1度や2度ではない。弟子入りを直訴された今季も、優勝決定後の9月末には打撃練習を行う堂林をケージ裏から新井がじっと見つめ、試合前に2人で球場内で打撃練習を行ったこともあった。「実戦での打席は少なかったけど、すごく手応えがあった。今はバットをムチのように使うよう意識している」と堂林。手応えはある。

 12月に予定する優勝旅行も辞退した。年明けには新井が恒例とする、燃え上がる炎の前で全身全霊を込めて不動真言を唱えることで煩悩を焼き尽くすとされる護摩行にも同行する。強い覚悟は、燃えさかる炎にも負けない。【前原淳】