今季限りで現役を引退した広島の黒田博樹投手(41)が4日、広島市のマツダスタジアムで記者会見し「ほっとしたのが一番。ことし1年、多少のけがはあったけど、チームに貢献できたかなという安心感が強い。出来過ぎの野球人生だったと思う。こういう形でリーグ優勝もできた。満足できる野球人生だった」と晴れやかな表情だった。

 引退を表明した10月18日は日本シリーズを控えていたため、現役生活を振り返らなかった。この日は印象に残る試合として「現時点では、リーグ優勝を決めた試合でマウンドに入れたのは大きかった」と25年ぶりにリーグ制覇を果たした9月10日の巨人戦を挙げた。

 最後の登板となった10月25日の日本シリーズ第3戦は脚がつり、1失点で6回途中に降板。カープのユニホームで投げたかったという現役最後の1球は日本ハムの大谷翔平選手への球となり「(直後に降板し)悔しい気持ちもあるけど、最後に投げた球が彼だったといううれしい気持ちもある。いい思い出になる」と素直に口にした。

 今後は「取りあえず野球を離れてゆっくりしたい」と言う。将来的な指導者について「まだそこまで想像していないけど、せっかく米国と日本で野球をさせてもらった。いろんな人に還元できることがあれば還元したい。先のことはゆっくり考えていきたい」と話した。