中日小笠原慎之介投手(19)が4日、愛知県内の病院を退院した。10月31日に入院し、1日に左肘の遊離軟骨を取る「関節形成術」を受けていた。

 「これから投げられない苦しさに耐えなければならない。投げたい、投げたいという欲は出てくる。でも野球をやらない時期もときには必要。この時期が一番大事だと思うので」

 広島黒田の座右の銘として知られる「耐雪梅花麗(ゆきにたえ、ばいかうるわし)」。冬に苦しい思いをした分、きれいな花を咲かせる。今の小笠原の心境はまさに同じだろう。

 初めての手術。固定具は1日で外れ、左肘の生々しい縫合痕がいやでも目に入る。一切動かせず、ぶら下げた状態の左腕は全体が腫れ上がっている。 

 ランニング再開まで2~3週間。キャッチボール再開まで最低2カ月を要する。小学1年から野球を始めて初のブランク。今季中盤からローテに定着し、来季への飛躍が期待されていただけに、気持ちの切り替えは簡単ではない。

 「今までの自分には戻れないと思う。違う自分にならないといけない。来年だけじゃなく、長く活躍するためにこの1~2カ月をけちってでも、焦らずやっていく」。チームの先輩らからも「焦らないこと」とアドバイスを受けたという。長い冬を乗り越える覚悟は決まっている。【柏原誠】