中日平田良介外野手(28)が5日、ナゴヤ球場で会見を行い、今季取得した国内FA権を行使せずに残留することを表明した。西山和夫球団代表と計4回の交渉を行い、チームのことを中心に10時間以上の話し合いを重ねた。行使も考えた時期もあったが、その思いは引っ込めた。今季から5000万円増の推定年俸1億2000万円ほどが提示されているとみられ、複数年契約で合意した。

 権利行使を見送ったのは、平田自身が物足りなさを感じていたからだった。「成績はまだまだなので、来年から、また平田はいい選手だとどこからも認めてもらえるように。そして、日本球界のトップに立てる選手になりたいと思います」と誓った。チームは19年ぶりの最下位に沈んだが、平田自身も苦しんだ1年だった。股関節、腰、右肩と故障の連続。チームトップの73打点を稼いだが、打率2割4分8厘に終わった。

 会見の前にトレーニングに励む平田の横には、一足先に残留を表明した大島がいた。平田は「同じユニホームを着てプレーできるのはうれしい」と笑顔だった。ダブル流出も危惧された主力2人がそろって残留。平田は11年間を過ごした名古屋にも愛着を感じている。「絶対に名古屋を盛り上げたい」。結果で恩返しする。【宮崎えり子】