今季限りで現役を引退し、指導者として再スタートを切った楽天の栗原健太2軍打撃コーチ(34)が、長距離砲を育てるため熱心な指導を繰り返している。7日の秋季キャンプでは、3年目のシーズンを終えた内田靖人内野手(21)ら若手に、現役通算153本塁打のノウハウを伝えた。

 背番号は0から85へ。指導者・栗原としての野球人生がリスタートした。「選手時代は自分だけでしたけど、これからは1人1人しっかり見て教えていかないといけない。何を伝えるか頭で整理して、考えてアドバイスをしていかないといけないから、すごく神経は使いますよ」と指導者の難しさに直面しながらも、充実した表情で語る。

 心掛けるのは、選手の持ち味を最優先に考えた指導。「構え方、タイミングの取り方、バットの振り方…。全く同じ選手はいない。だからこそ、コミュニケーションを取りながら、選手と一緒に形を作り上げたい」。今季、プロ初アーチを含む2本塁打。和製大砲としての成長が期待される、3年目の内田は「今年はいろいろ考えすぎて結果を出せなかったが、もう1度、フルスイングという自分の姿勢を貫きたい」と、栗原コーチの指導でレベルアップを図る。【田口元義】