西武辻監督が「伝説の走塁」再現で、チームを優勝争いに導く。11日に熊本・天草で野球教室を開催。午前に中学生、午後に小学生を指導したが、ともに走塁練習からスタートする異色のメニュー構成。一塁のオーバーランの仕方、リード時の体の向きなど、細部まで“辻流”を伝えた。

 1つでも先の塁を狙う意識の重要性を強調しつつ「昔は中前打で一塁からホームインした選手もいた」とニヤリ。巨人クロマティの緩慢な返球を見逃さず単打で一塁から生還した、87年日本シリーズでの自らのプレーを引き合いに出した。

 「その意識が大事なのはプロも一緒。今の西武には足りない部分もある」とも。高機能の人工芝が普及して守備のミスが減ったことから「どうせエラーしない」と決めつける選手が増えたと指摘する。「守備の戦術も突き詰められてきて、簡単に点は取れない。だからこそ、ミスを見逃さず1つでも先の塁に進む姿勢が大事」。キャンプなどで意識付けを進める。