阪神岩貞祐太投手(25)が27日、故郷熊本に勇気を与えることを誓った。日本プロ野球とプロサッカーの選手会が「熊本地震復興支援プロジェクト」と題し、同県で野球教室とサッカー教室を開催。今季ブレークした左腕も益城町の益城中央小などを訪問し、年間200イニング登板&200奪三振に意欲を見せた。

 ブルーシートが掛けられた家屋に、傾いたままの電柱、波打った道路。4月の熊本地震で甚大な被害を受けた益城町には、8カ月が経過した今もはっきりと被害の爪痕が残っていた。熊本市出身で益城町にも多くの親戚が住んでいる岩貞は、震災後初の訪問。「知っている道の両サイドの家がなくなっていた。街の姿を見て胸が痛くなった。やるべきことがたくさんある」と決意を新たにした。

 10勝した今季は25試合で158回1/3を投げ、156奪三振。阪神では14年メッセンジャー以来の200回登板&200奪三振も現実的な目標だ。「チームのためというのが大前提。先発の役割を果たして増やしたい」。すでに来季の勝利数か奪三振数に応じて義援金を寄付する考えも表明。将来的には故郷の子どもたちを甲子園に招くプランも温めている。岩貞は「これからもスポーツの持つ力を益城町に伝えられたら」と力を込めた。【桝井聡】