ソフトバンク工藤公康監督(53)にとって「酉(とり)年」は活躍年だ。81年は夏の甲子園で、長崎西をノーヒットノーラン。名古屋電気(現愛工大名電)の工藤として一躍世に知られた。西武時代の93年は15勝3敗、防御率2・06でリーグ優勝に貢献しシーズンMVPに輝いた。巨人時代の05年は42歳で11勝。その流れに乗って監督3年目の17年は日本一奪回を目指す。

 キーマンになるのも「酉(とり)年」の選手。36歳の和田、24歳の千賀、武田。「ひとまわり違うのか。開幕ローテーションは和田は確定。武田、千賀も(横一線からは)上にいる」と話す。バンデンハークも確定し、残りは東浜、中田、摂津らが候補となるが、酉(とり)年先発トリオへの期待は大きい。

 守護神サファテも36歳。「へえ、そうなの。向こう(米国)にも、干支(えと)ってあるのかな? 今季も(9回に)サファテにつなぐのが理想。8回がスアレス、7回が岩崎とかね」。昨季は終盤に森、五十嵐ら中継ぎ陣が疲労からか調子を崩した。工藤監督は先発も中継ぎもできる岩崎にセットアッパー役を期待している。

 ちなみに、細川が楽天へ移籍し、正捕手候補の高谷、鶴岡も36歳の年男。「36歳ね。ここからだよ。ここで自分でオフにトレーニングしてくれれば、そこからまた1年、2年と伸びてくる」。工藤監督は、自らがベテランと呼ばれる年代になった時に、体を鍛え続け活躍した。だからこそ、主力に30代中盤の選手が増えても、鍛え続ける。

 「期待しない選手はいない。競争しての結果なので」。プエルトリコでのウインターリーグでオフも投げ続けた松坂、5球団競合の末獲得したドラフト1位の創価大・田中正義も競わせる。抱負な戦力をさらに強化し、工藤公康の酉(とり)年伝説に新たな1ページを加える。【石橋隆雄】