大谷世代で俺も輝く! 中日ドラフト1位柳裕也投手(22)の同学年は日本ハム大谷、阪神藤浪、広島鈴木…、中日でも若松らキラ星のごとく才能が集まっている。プロ入り同期もソフトバンク田中正義、ロッテ佐々木千隼ら注目選手がずらり。だが柳はあまり彼らへのライバル意識を口にしない。「テレビで見ていて、同学年なので意識はする。でもあいつらより上にという気持ちはないし、自分もプロになるので、あこがれの目で見るわけでもない。あいつらに勝ちたい、負けたくないとかではない」と素っ気なく話した。

 だが負けん気の強さは隠せない。「何に対しての勝ち負けか分からない。大谷、藤浪はすごい。2人は球が速い。刺激は受けます。でも何で勝ち負けがつくかだと思う。勝てる投手、防御率、イニング…いろいろありますから」。柳の球速は平均140キロを少し超えるくらい。スピード勝負するつもりはない。ゲームメーク術や修正能力、制球力など「勝てる投手」に価値を見いだしている。プライドがちらついた。

 田中との出会いは大きな転機だった。大学3年春の大学日本代表で一緒になり「秋にかけて一番成長できた」と振り返る。3年秋には主戦になり5勝、防御率1・95と躍進を遂げた。「正義に会って、感じたことが大きかった。見たことのない球だった。僕よりずっとすごい。そういう選手ほどもっと上を目指しているんだと思った」。

 中日のルーキーも2位京田、4位笠原、6位丸山と3人が同学年。大谷らとの対戦機会も訪れるはず。プロでの新たな出会いが柳をさらに成長させる。