極限の中でも結果を出せ! 阪神金本知憲監督(48)が地獄のサバイバルキャンプを予告した。阪神は8日、西宮市のホテルで合同スタッフ会議を行い、春季キャンプの運営や1、2軍メンバーの振り分けなどを話し合った。就任2年目の指揮官はキャンプ中の実戦を増やし、なおかつ練習量も求める方針を明かした。

 淡々とした口ぶりの中に、「地獄」が潜んだ。金本監督が1年前の春季キャンプとの違いを問われ、こう答えた。

 「去年よりは実戦も増えてくる。鍛える時間と、キャンプの中での実戦。両方を重視します」

 就任1年目は若手を中心に、実戦形式よりも練習に時間を多く割いた。いわゆる鍛えるキャンプだったが、今年はそこに実戦の場も増やしていく。極限の中でも結果を残せ-。そんなメッセージが暗にこめられていた。

 昨秋キャンプの手応えが、指揮官にはあった。紅白戦と練習試合を合わせ、5試合を実施。そこでの若虎の奮闘が記憶にあった。「(秋に)あれだけ追い込んでも、試合ができたからね。パフォーマンスを下げることなく。体力がついてきている。紅白戦はやりますよ。1クールに、1、2回はあったかな…」。昨春キャンプでは3試合だった紅白戦の大幅増を予告した。

 「野手も(多く)出られるし、投手も倍、投げられる。対外試合だと、出られる人間も減ってくるし、(投手の)イニング数もね」

 生き残りをかけた過酷な戦いが待っている。金本監督は現時点で右翼福留と中堅糸井にしかレギュラーを確約していない。他の選手は、キャンプから猛烈なレギュラー争いを繰り広げる。練習で追い込みながら実戦でも結果が求められる。「正直、シーズン中はもっと疲れているから」。指揮官はさらりと言った。厳しい環境を勝ち抜いた者が開幕メンバーに名を連ねる。

 秋季キャンプからオフにかけ、体力強化にも力を注いできた。「基礎筋力がついた人間は、それをパフォーマンスに生かすトレーニングをトレーナーと考えている」。体を鍛えた分を、いかに実戦で発揮できるか。地獄のキャンプに、金本阪神2年目の進化がある。【田口真一郎】

<阪神の昨年春季キャンプでの実戦形式>

 ◆シート打撃 2月6日に初めて行った。7日と9日にも実施。

 ◆紅白戦 11日が初で、14日、28日と3度実施。

 ◆練習試合 16、20日に楽天、25日に日本ハム、27日に韓国サムスンと行い、3勝1敗。

 ◆オープン戦 キャンプ中では1試合、21日にヤクルト戦が組まれ、5-1で快勝。