40歳シーズンに臨む阪神福留孝介外野手(39)が15日、「孤高の天才」からアラフォーの心得3カ条を説かれた。名球会メンバーの1年生として、同会イベントとして行われた野球教室と東西対抗戦(ともにKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎)に参加。尊敬する広島OB前田智徳氏(45)から大きな刺激を受けた。

 福留の顔がにやけた。午前中に行われた名球会の野球教室。打撃指導のコンビを組んだのは、通算2119安打の前田氏だった。プロ入りしてからも、そのシンプルな打撃フォームを「自分が考える理想に近い」と話すなど、尊敬してやまない左の天才打者。同じユニホームを着てバットを握ると、自然と野球談議に花が咲いた。

 どうすれば厳しいプロ野球界で、太く長く輝きを放つことができるか。前田氏は福留に3つのメッセージを送った。

 (1)技術練習よりコンディション調整 42才で現役引退した前田氏も晩年はケガとの戦いだっただけに、福留に「メジャーからケガと戦いながらよく粘っている。これからは技術よりコンディション」とアドバイス。40代のケガは致命傷になりかねないと忠告した。

 (2)7~8割でいい 「10割でやるとケガをする。あれくらい(の技術があれば)7~8割でちょうどいい。頭を使ってやればいい」と余力を残してプレーするべしと助言した。

 (3)名球会に合わせろ 東西対抗戦に代打で出場した福留はソフトバンク工藤監督から中前打を放つなど2打数1安打。そんな福留に前田氏は「来年の『初打ち』はここに合わせろといったよ。ベテランはどうしても遅くなっちゃうから」と1月のフルスイングを求めた。

 球史に名を刻むレジェンドたちと過ごす貴重な時間が流れる。今日16日には名球会ゴルフが行われ、3日間に及ぶ日程が終了する。前日の総会では緊張した表情だった“ルーキー”福留も「今日は楽しくリラックスしていろんな人と話できた。教えてもらったことを参考にしながらやっていきたい」と笑った。天才の言葉がうれしい。虎の主軸を張るベテランも、まるで野球少年のようだった。【桝井聡】