巨人阿部慎之助内野手(37)が、外野コンバートの可能性がある巨人岡本和真内野手(20)に“愛のノック”を浴びせた。1軍の宮崎合同自主トレ最終日となった30日、岡本のノッカーを買って出た阿部は実戦さながらの多彩な打球をちりばめた。プロ通算2000安打達成まで83本に迫ったベテランと3年目の飛躍にかける若手が、ともに充実のオフ期間を終え、いよいよ明日1日のキャンプインを迎える。

 強い逆風を切り裂く強烈な打球に岡本がグラブを伸ばした。阿部が「よしっ、俺が打つよ」と、球団スタッフに代わりノッカーを務めた。1人孤独にノックを受けていた岡本に周囲の視線が集中した。前へ、後ろへ、右へ、左へ…。ライナーでぐんぐん伸びたかと思えば、今度は高く打ち上げる。右打ちながら“実戦モード”の打球を約10分間、フィールドに散らした。

 今季から高橋監督が外野コンバートの構想を持つ岡本にとって、自主トレの総仕上げとも言える練習だった。「生きた打球でした。いろんな打球が飛んできた。試合だったらもっと伸びてくる打球もある。いい練習になりました」と汗びっしょりで振り返った。持ち前の打力を生かすため、外野手への意識も必要だ。阿部の飛球は、本格的な特訓への合図だった。