吉本新喜劇さながらのコーク劇場だ。オリックス新外国人フィル・コーク投手(34=パイレーツ)がフリー打撃に初登板。闘志あふれる左腕は、個性派ぶりをここでも発揮した。まずは突き刺すような寒風の中、半袖で登場して驚かせた。邪魔とばかりに防球ネットをどけて投球開始だ。

 捕手若月のサインに首を振りまくり、打ち取ればガッツポーズ。まるで試合だ。意図しない球がいくと「ちくしょう」という意味の放送禁止用語を叫んだ。コーチから終了の合図も「ワンモア!」(もう1回)と続行。全37球にはボール球が目立ち、16スイングで安打性3本だった。

 「まだフォームが安定していない」と不満顔も、宗から内角直球で空振りなど左殺しの片りんは見せた。メジャーでは昨年引退した左の強打者デービッド・オルティスを21打数2安打。元ヤンキース松井秀喜も8打数1安打に封じた実績がある。

 「オルティスは俺を好きじゃなかったからね。マツイさんは会うたびに言ってきた。『今日は打たせてくれよ』って。もちろんできないけどね」。先発として期待する福良監督も「いろんな声を出してたね」と苦笑い。オリックスの新名物になりそうだ。【大池和幸】